クワガタ・カブトムシ飼育用語集
用語集
クワガタやカブトムシの飼育では、日常生活ではあまり使わない専門用語や略語が登場します。
このページでは、飼育を始めたばかりの人にも分かるように、基本的な用語を簡潔に解説します。
成長段階に関する用語
卵
メスが産んだ卵です。一定期間が経過すると、幼虫がふ化します。
孵化
卵から幼虫が出てくることです。「ふ化」と書くこともあります。
幼虫
卵から生まれ、成虫になるまでの成長段階です。脱皮を繰り返しながら大きくなります。
初令幼虫
卵からふ化した直後の幼虫です。「1令幼虫」とも呼ばれます。
二令幼虫
初令幼虫が一度脱皮した後の幼虫です。
三令幼虫
二令幼虫が脱皮した後の幼虫です。クワガタやカブトムシでは、一般的に幼虫期の最終段階です。
終令幼虫
幼虫期の最後の段階にある幼虫です。多くの場合、三令幼虫を指します。
前蛹
幼虫が蛹になる直前の状態です。体が縮み、動きが少なくなります。
蛹
幼虫から成虫へ変化している段階です。体は柔らかく、非常に傷つきやすい状態です。
蛹化
幼虫が蛹になることです。
羽化
蛹から成虫になることです。羽化直後は体が柔らかいため、刺激を与えないようにします。
新成虫
羽化してから間もない成虫です。まだ餌を食べず、蛹室の中で過ごすことがあります。
後食
羽化した成虫が、初めて餌を食べ始めることです。成熟やペアリング時期を判断する目安になります。
成虫
クワガタやカブトムシの最終的な成長段階です。成虫になった後は、脱皮して大きくなることはありません。
幼虫飼育に関する用語
マット
木材や腐葉土などを加工した飼育資材です。幼虫の餌、成虫の床材、産卵用など、用途によって種類が異なります。
発酵マット
木材などを発酵させて作られたマットです。主にカブトムシや、一部のクワガタの幼虫飼育に使います。
微粒子マット
粒が細かいマットです。産卵セットや小さな幼虫の管理などに使われます。
菌糸
キノコを作る菌が、糸のように広がったものです。
菌糸瓶
オガクズに菌糸を広げ、瓶やボトルに詰めた飼育用品です。主にクワガタの幼虫飼育に使います。
菌床
菌糸瓶の中に入っている、菌糸が広がったオガクズのことです。
菌糸交換
幼虫を古い菌糸瓶から新しい菌糸瓶へ移す作業です。
食痕
幼虫が菌糸やマットを食べ進んだ跡です。菌糸瓶では、幼虫が通った部分が茶色く見えることがあります。
暴れ
幼虫が菌糸瓶の中を広く動き回り、菌床を崩す状態です。成熟や環境変化など、複数の原因が考えられます。
蛹室
幼虫が蛹になるために作る空間です。蛹化前後は、容器を動かしすぎないようにします。
人工蛹室
壊れた蛹室の代わりとして、人が用意する蛹用の空間です。
成虫飼育に関する用語
昆虫ゼリー
クワガタやカブトムシの成虫に与える飼育用の餌です。果物より傷みにくく、管理しやすい特徴があります。
高タンパクゼリー
タンパク質などの栄養成分を強化した昆虫ゼリーです。産卵前後のメスなどに使われます。
餌皿
昆虫ゼリーを固定するための飼育用品です。ゼリーの転倒やマットの混入を防ぎます。
転倒防止材
成虫が仰向けになったとき、脚を掛けて起き上がるための足場です。樹皮、木片、枝などを使います。
活動期
成虫が餌を食べ、活発に動く時期です。多くの種類は、主に夜間に活動します。
休眠
成虫が活動を抑え、長期間ほとんど動かなくなる状態です。
越冬
冬を越すことです。日本産の一部のクワガタは、成虫の状態で越冬します。
寿命
成虫として生きる期間です。種類、温度、活動量、飼育環境などによって異なります。
産卵に関する用語
ペアリング
オスとメスを交尾させることです。
ハンドペアリング
飼育者が観察しながら、オスとメスを交尾させる方法です。
同居ペアリング
オスとメスを一定期間、同じケースで飼育する方法です。
成熟
成虫が繁殖できる状態になることです。羽化直後の新成虫は、すぐに繁殖できるとは限りません。
産卵セット
メスに産卵させるために組んだ飼育環境です。ケース、マット、産卵材などで構成されます。
産卵材
クワガタのメスが産卵するための木材です。種類によって、好む硬さや状態が異なります。
割り出し
産卵材やマットから、卵や幼虫を取り出す作業です。
採卵
産卵セットから卵を取り出すことです。
産卵数
メスが産んだ卵や、回収できた幼虫の数です。
血統や繁殖に関する用語
血統
共通する祖先や特徴を持つ個体の系統です。大きさ、形、産地などを基準に管理されることがあります。
累代
飼育下で繁殖を続け、世代を重ねることです。
F1
最初の交雑世代を示す表記です。ただし、昆虫飼育では販売者や飼育者によって使い方が異なる場合があります。
F2
F1個体から得られた次の世代を示す表記です。
CBF1
飼育下で異なる血統同士を交配して得られた、最初の世代を示す表記です。
WF1
野外採集個体を親として得られた最初の世代を示す表記です。表記方法には個人差があります。
インライン
同じ血統内で交配を続けることです。
アウトライン
異なる血統の個体を交配することです。
近親交配
血縁関係の近い個体同士を交配することです。同じ特徴を維持しやすい一方、世代を重ねる場合は注意が必要です。
個体情報に関する用語
産地
野外採集された地域や、親個体の由来となる地域です。
産地累代
特定の産地に由来する個体を、飼育下で繁殖して維持することです。
天然個体
野外で採集された個体です。「ワイルド個体」とも呼ばれます。
飼育個体
人の飼育下で繁殖し、育てられた個体です。「ブリード個体」とも呼ばれます。
WD
野外採集個体を示す略称です。英語の「Wild」に由来します。
CB
飼育下で繁殖された個体を示す略称です。一般的に「Captive Bred」の意味で使われます。
サイズ
成虫の体長です。測定する位置や方法によって、数値が変わることがあります。
頭幅
頭部の横幅です。幼虫の成長段階や、成虫の体格を確認する参考になります。
体重
個体の重さです。幼虫の成長記録などに使われます。
羽化日
成虫へ羽化した日です。正確な日が分からない場合は、羽化を確認した日を記録します。
掘り出し
羽化した成虫を蛹室から取り出すことです。体が固まる前に行うと、個体を傷つける可能性があります。
体の部位に関する用語
大顎
クワガタの頭部にある、大きく発達した顎です。
角
カブトムシの頭部や胸部にある突起です。主にオスで大きく発達します。
上翅
成虫の背中を覆う硬い翅です。その下に、飛ぶための後翅があります。
後翅
上翅の下に収納されている、飛ぶための翅です。
胸部
頭部と腹部の間にある部分です。脚は胸部から伸びています。
腹部
体の後ろ側にある部分です。
気門
昆虫が呼吸に使う、体表にある小さな穴です。
符節
脚の先端付近にある細かな節です。木や樹皮につかまるために使います。
顎縛り
クワガタのオスがメスを挟む事故を防ぐため、大顎が大きく開かないようにする処置です。
飼育環境に関する用語
飼育ケース
クワガタやカブトムシを飼育する容器です。
通気
ケース内の空気が入れ替わることです。通気が少ないと蒸れやすく、多すぎると乾燥しやすくなります。
蒸れ
ケース内に熱や湿気がこもった状態です。
加水
マットや産卵材に水分を加えることです。
温度管理
種類や成長段階に適した温度を保つことです。
多頭飼育
複数の個体を同じ容器で飼育することです。
単独飼育
個体を1匹ずつ別の容器で飼育することです。
よく使われる表現
落ちる
飼育している個体が死亡することを意味する表現です。
縮む
幼虫時の体重から期待したほど、成虫のサイズが大きくならなかった場合などに使われる表現です。
完品
角、大顎、脚、上翅などに大きな異常がなく、正常に羽化した個体を示す表現です。
羽化不全
羽化の途中で、上翅、翅、脚、角、大顎などに異常が生じることです。
不全
体の一部が正常な状態にならなかったことを示す略した表現です。
欠損
脚、符節、触角など、体の一部が失われている状態です。
★
個体が死亡したことを示す記号として使われる場合があります。
累代表記について
F1、WF1、CBF1などの累代表記は、販売者や飼育者によって意味や使い方が異なる場合があります。
個体を購入するときや繁殖記録を残すときは、略称だけではなく、次の情報も確認しましょう。
- 親個体の由来
- 産地
- 野外採集個体か飼育個体か
- 同じ血統内の交配か
- 異なる血統との交配か
- 何世代目にあたるか
用語を理解することは、飼育方法を学ぶだけでなく、個体の情報を正確に記録し、次の飼育者へ伝えるためにも重要です。



